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法定署名の困難さ   

 法定署名とは、法令(法律・政令・規則)で手続き・書式が定められた署名。地方自治法・同施行令・同施行規則で手続き・書式が定められたものに「条例の制定・改廃を求める署名」・「地方自治体の長・議員の解職を求める署名」・「地方議会の解散を求める署名」がある。「常設型市民投票条例に基づいて市民投票を請求する署名」も、地方自治法・同施行令・同施行規則で定められた手続き・書式に準じて行なわれることになるだろう。

 この法定署名には、次のような困難さがある。

(1)法令で定められた書式通りの署名簿で集められた署名でなければ無効。(署名簿が不備という理由で署名の2割近くに当たる約1100人分の署名が無効になった例

(2)非法定署名と異なり、住所・氏名のほかに「生年月日」を記し、「押印」までしなくてはならない。

(3)選管に氏名等を届け出た人が対面で署名を集めなければならず、回覧や郵送で集めてはならない。

(4)以上の他にも沢山の署名を集める際の注意事項(リコール署名のときの注意事項)がある。注意して集めても必ず5~8%ぐらいの無効署名が出る。高山住民投票条例署名では5.3%・市会議員リコール署名では7.8%の無効署名が出た(運動比較表参照)。

(5)「署名簿」だけでなく法令で定められた多くの書類を作成・提出することを含む法令で期限等が定められた慣れない手続きを行なわなければならない(解職請求・解職投票の手続き)。

(6)10(H22)年6月現在の生駒市の有権者は95686人で、有権者の1/6(15948人)以上の法定署名を集めねばならない場合、15947人の署名を集めても、それは法定数より1人分足りずにすべて無効となり、文字通り汗と涙で集めた人々の熱い願いのこもった15千以上の署名であっても無駄な紙切れとなり、プライバシー保護のため紙くず同然に焼却炉に放り込んで焼き捨てねばならない。そのとき、わが子を焼却炉に放り込むのと同然の身の張り裂ける思いがする(これは、09(H21)年3月、「『とりもどそう住んでよかった松原を』市民の会」の方々が、市立病院閉院を強行した松原市長のリコール署名を30121人分集めながら有権者の3分の1(33996人)に届かず、3万人以上の署名を焼却炉に放り込んだときのお気持ちです。酒井議員をリコールする会<09(H21)7月結成>がリコール署名を始めるに当たって同会の方を招いてアドバイスをいただいたときにお聞きしました)。法定署名を集めるにはこの身の張り裂ける思いを覚悟しなければならないが、これは大変な苦痛であるし、署名収集中もこの“恐怖”がついて回る。

(7)例えば生駒市で新病院開設を願う市民が新病院開設の賛否を問う市民投票を請求しようとし、請求要件が有権者の1/6(15948人)以上の署名であった場合、もし15948人以上の署名を集めることが出来なければ<市民は新病院に関心が少ない=新病院を望む市民は少ない>ので新病院は必要ない、ということになってしまうかも知れない、という恐れ・リスクを法定署名は伴う(請求要件のハードルが高ければリスクも当然に大きくなる)。このようなリスクを覚悟してまで法定署名をやろう決断するのは大変な苦痛である。

(8)以上のような困難を乗り越えて法定署名数を集めることができたとき、「地方自治体の長・議員の解職を求める署名」・「地方議会の解散を求める署名」の場合は解職・解散の是非を問う住民投票という願いが実現するが、「常設型市民投票条例に基づいて市民投票を請求する署名」の場合は市民投票が実施されてもその結果は拘束力がなく「尊重しなければならない」というもので、それは、法定署名数を集めるまでのハードルの高さによっては市民投票をやろうというモチベーション(動機付け/やる気)を低下させる。これも困難さの1つといえる。

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